(以前、noteに書いた記事をこちらに転載します)
【注意】この一連の記事では、具体的にどのアプリがいいか、ということは書きません。営業マネジメントの考え方をベースに、どのような観点からアプリを検討するか、ということを書きます。
さて、どのようなアプリ、システムを導入するにしても、まずはそれで「何をしたいのか」という目的が大事です。
これまで導入していなかった営業支援アプリを、いま導入したいと考える事業者には、何かしら営業活動を変えていきたい、という想いがあると思います。
では、どう変えたいのか。事業者によって、いろいろな表現が出てくると思いますが、多くの場合、営業支援アプリは「営業マネジメントを整える」ために導入されます。
ここでいう、自社の「営業マネジメントが整っている」というのは、どういうことでしょうか。このシリーズ記事では、「営業マネジメントを整える」方法を説明しながら、営業支援アプリの役割を改めて確認することで、アプリを選ぶ際のヒントを示していきたいと思います。
営業マネジメントは、なんとかして「to be」に近づけること
そもそも、なんで営業活動をやっているのか、と言ったら、商品やサービスを売りたいからですね。でも、なんで売りたいのか、と言ったら、お金が欲しいから、ということでもあるのですが、根本を考えていくと、会社や事業のありたい姿、あるべき姿を実現するためです。
何もしないでいる状態(as is)と、あるべき姿(to be)には差分(Gap)があるから、営業活動によって、その差分を埋めていくわけです。
経営の話をするときに、よく出てくる図 |
営業活動は、この「to be」に近づく活動、ということですね。
そして、マネジメントというのは「なんとかする」ということなので、営業マネジメントは、なんとかして「to be」に近づけること。
それが整うということは、営業活動によってホントに「to be」に近づいているか、確かめられて、もっと近づけるように工夫できる状態になっている、ということです。
トップダウンとボトムアップを統合する
この「to be」は、会社や事業のありたい姿、あるべき姿である、ということをさきほど書きました。ということは、営業マネジメントの出発点には、会社や事業の未来をどうしていきたいかを明確にすることがあります。そして、その未来に向かって、いまを組み立てていきます。これはトップダウンの考え方と言えます。
一方で、営業活動に関わってきた人からすれば、現場の重要性ということも強く感じているのではないでしょうか。誰にアプローチできて、何をどれくらいの確度で提案できるのか、ということからしか、売上の目処は立たないではないか。いまそこにいる顧客や見込み客から、営業は組み立てないといけない。こちらはボトムアップの考え方と言えます。
大きめの会社だと、どちらかというと前者のトップダウンは、マーケティング部門が担っていて、営業部は後者のボトムアップのスタンスが強いことが多いのではないでしょうか。ただ、ここでお伝えしておきたいのは、「営業マネジメント」が、なんとかして「to be」に近づけることである以上、トップダウンの要素は必須だということです。
もちろん、ボトムアップのアプローチが重要であることも事実です。「営業マネジメントを整える」ということは、ボトムアップにトップダウンを統合していくこと、とも言えます。
経営計画と営業活動の現場をつなぐための仕組みを構築する
ボトムアップにトップダウンを統合する?ちょっと話がふわっとしすぎじゃない?と思うかもしれません。その通りです。僕もそう思いますので、もう少し具体化したいと思います。それが以下の図です。
急に難しい図が出てきた |
ちょっと唐突で、ミッシングリンクがあると思うので、ここまでの流れと少し違う方向から考えてみたいと思います。
さきほど、営業マネジメントの出発点は「to be」を明確にすること、と書きましたが、「to be」を明確にしたとき、経営者はこう考えるはずです。
「さて、どうやって、この to be を実現するか」
そして、経営計画を立てます。え?ホント?と思うかもしれませんが、必ず立てます。ただし、見える形にはなっていないかもしれませんし、ふわっとしているかもしれませんし、論理的に破綻していたり、実現不可能だなと自分で思っていることまであります。それでも、必ず何かしらの経営計画を一瞬でも思い描くはずです。
また、何らかの営業活動も進めるでしょう。そして、その営業活動は何らかの結果につながります。その結果として「to be」に十分に近づいているようならば、何の問題もなかったはずですが、現実には問題が発生しています。もっと「to be」に近づいているはずなのに、おかしい。近づいていない。何かがおかしい。
そこでいろいろと悩んでしまうこともあると思いますが、ざっくり考えると、以下のつながりに問題が生じているはずです。
「to be」→「経営計画」→「営業活動」→「結果」
だから、このつながりを上手くコントロールしてあげれば、もう少し良い結果につながるのではないでしょうか。この「上手くコントロールしてあげる」ということが、「なんとかして『to be』に近づける」ということであり、そのために「営業マネジメントを整える」わけです。
それをマネジメントの構造として表すと、先ほどの小難しい言葉が並んだ図になります。そして、四角で囲った要素を実現するために役立つのが、営業支援アプリでもあります。逆に言えば、役に立つような機能を持った営業支援アプリを選ばないと、営業マネジメントを整えることを助けてくれません。