スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

8月, 2020の投稿を表示しています

ICTによるビジネスの変化②

前回 は、印刷業で小ロットの仕事に対応するために、ECサイトから同じ仕様の仕事を大量に受注してきて、大きな印刷機でまとめて印刷することでコストを削減する、という戦略と、そこでのICT活用について簡単に見てきました。今回は、「デジタル印刷機」を利用する戦略について、少し紹介したいと思います。 前提として、ここで言う「デジタル印刷機」とは何かをごく簡単に説明しておきます。従来型の印刷機(オフセット印刷機)では「版」を作って、そこからインクを紙に転写して印刷をしていました(正確には版が直接紙に触れるわけではないです)。しかし、みなさんが普段使っている「プリンター」は、そのような仕組みではなく、インクジェットであれば、紙に細かくインクを吹き付けることで、レーザープリンターであれば電子的に版に代わる部分にトナー(色の粉)をつけて紙に転写することで、印刷を行なっています。この「プリンター」の技術の精度をより高くしたものが「デジタル印刷機」といえます。 つまり、デジタル印刷機には「版」がありません。そのため、印刷することだけを考えれば、1枚だけ印刷しても、100枚印刷しても、2000枚印刷しても、1枚当たりのコストが変わらないのです。以前は、従来型の印刷機に比べて印刷結果が粗く、デジタル印刷機で代用できる仕事は限られると言われていましたが、昨今は高精細な印刷ができて色味も調整が可能になっているので、広く使われるようになっています。小ロット向きの生産設備と言えるでしょう。 世の中に、このような技術が台頭してきたときに、みなさんなら、どのような戦略でビジネスを変化させていくでしょうか。いろいろな可能性があるでしょうが、これまでは印刷部数が小さすぎて高単価になり受けることができなかった仕事を、現実的な料金でお客様に提案したくなると思います。 ひとつ流行ったものとしては(今もありますが)フォトブック作成サービスがあります。個人が写真アルバムを作りたいときに、それほど多くの部数を作りたいことはそうないと思います。せいぜい数部です。そのような需要に比較的安価で応えるために、ECサイトを用意して、定形フォーマットのフォトブックを全国から注文できるようにして、デジタル印刷機を中心に生産体制を組みます。分かりやすいビジネスです。 ただ、印刷というものをサービスとして捉えたら、少し違う方向から考える

ICTによるビジネスの変化①

以前、印刷会社の設備やシステムを連携させるお仕事に何年か関わっていました。斜陽産業とも言われる印刷業ですが、生き残る企業はビジネスに変化を起こし、その中でICTを活用しています。そこでの戦略と打ち手を追ってみると、ICTによるビジネスの変化というものが分かりやすいと思うので、少し紹介してみます。 まず前提として、印刷というものは、同じ印刷物を大量に刷るほどに、1枚あたりのコストは低減します。印刷会社としても、受注当たりの部数が大きい(大ロット)ほど利益を出しやすい。ただ、近年では受注当たりの部数が小さく(小ロット)なって、従来通りの仕事の進め方では利益が出なくなっていました。そこで、受注当たりのコスト削減、という課題が出てきます。 従来型の印刷では、ハンコのように「版」を作ることで、同じ絵や文字を大量に刷ります。(限界はありますが)何枚刷っても版のコストは同じです。このように、大ロットであっても、小ロットであっても、変わらずかかるコストがあります。このようなコストをどうやって抑えていくか、というのがひとつポイントになります。これから、この「版」をどうするかを中心に、異なる2つの戦略を見てみましょう。 最初の戦略は、言ってみればゴリ押しの正面突破で、規模の経済を利かせてコストダウンしようというものです。業界用語で言うところの「付け合せ(ギャンギング)」を最大限に活用します。 例えば、A4サイズのチラシを印刷する場合。A0サイズを扱える大きな印刷機で刷ったらどうでしょう。A0というのはA4の16倍の面積があるので、単純に考えると、1枚の版でA4サイズを16面も印刷できることになります。そうすると、同じ仕様で印刷できる内容であれば、16件の受注を一度に印刷できて、1件当たりに必要な資材が減り、印刷にかかる時間も減り、受注当たりコストが大幅に低減します。これが「付け合せ」です。 この「付け合せ」を最大限に活用するためには、以下の条件を満たす必要があります。 とにかく大きな版で印刷する 同じ仕様の受注をコンスタントにたくさん得る 製造工程が進むごとに合流・分離する仕掛品を適切に管理する まず2について考えてみましょう。需要が多そうな印刷物にターゲットを絞って、同じ仕様、例えばA4両面カラー4色のチラシなど、の受注をかき集めてくる必要があります。上述の例で言えば、16件の受注が

無料でHPを作る

HP(ホームページ)というのは、多くの中小企業にとって最初に検討されるITツールのひとつだと思います。昔からHPを作成するための様々なサービスが提供されてきましたが、今も便利なサービスが多くあります。そして、無料で簡単にHPを作ることのできるサービスもあります。 有名なところで以下3つのサービス。 ・ WiX ・ ジンドゥー(Jimdo) ・ Googleサイト どれも(2020年夏現在)流行りの「ノーコード」でHPが作れるサービスになっています。他にも STUDIO や Webflow 、 ペライチ といったサービスもあり、選び放題です。 ここでは当事務所のHPを最初に挙げた3つの無料サービスでそれぞれ作ってみて、感じたことなどを、少し紹介しようと思います。 まずジンドゥーで作ったHPが こちら 。 URLは xxx.jimdofree.com(xxxはユーザー登録時に任意に決められる)になります。そして、一番下(フッター)にジンドゥーの広告が入ります。これは無料プランでは変更・削除ができません。 どのサービスでもそうですが、最初から用意されているテンプレートを選んで、必要な部品を残しつつ改変していくとすぐに作れます。もっと写真を強調したオシャレ雑誌みたいなテンプレートもありましたが、ここでは名刺の裏に合わせて、単色の背景にしてみました。 テンプレートの部品ごとに背景色を設定する必要があり、ページ全体を同じ色に変えるのは、少し手間がかかります。何がどこで定義されているか探すパズルみたいです。ブラウザのタブのところにも表示される、ページタイトルをどこで設定できるかも、直感的には見つけられず、いろいろ探しました(管理メニュー→パフォーマンス→SEO)。 一方で、お問合せページを作るのはとても簡単で、プライバシーポリシーを記載するページも、既にあるもの(ただしほぼ空白)を編集するだけでした。 次にWiXで作ったページが こちら 。 URLは xxx.wixsite.com/yyy(xxxはアカウント名、yyyは任意のサイト名)となります。そして、無料プランは最上部に広告が出て、スクロールしても消えません。ファビコン(ブラウザのタブのところに表示されるアイコン)も有料プランでないと独自のものを設定できません。今回の3つのサービスの中では一番広告が目立ち