先日(といっても随分経ってしまっていますが…)とある方から、M5StickCというデバイスをいただきました。それで、どんなことができるのかと試してみたことを紹介します。 M5StickC M5StickC(本体のみ) このデバイスは親指(より少し小さい?)くらいのサイズですが、中にESP32-PICOというモジュールが搭載されていて、WiFiやBluetoothの通信ができます。また、MPU6886というモジュールも載っていて、加速度、ジャイロ、(デバイス内部の)温度センサーが使えます。液晶画面やボタンもついています。要するに、いくつかのセンサーと、操作や通信をする機能がコンパクトにまとまっているデバイスです。 そして、このデバイスのいいところは、デバイスを制御するためのソフトウェアを作るのも非常に簡単ということです。ネットワークにつながる部分が既に作り込まれていて、少し追加で設定するだけで、すぐにWiFi(そしてWiFiを経由してインターネット)との接続も可能です。 この手の電子工作モジュールがよく売られている SWITCH SCIENCE でも扱っています。 何を作るか 機械などに取り付けたセンサーから得られるデータを、クラウドに収集して分析して、人の行動の参考にしたり、他のシステムを動かしたり、機械のコントローラーにフィードバックして自動制御したり、というのがよくあるIoTの全体像です。M5StickCを使えば、このようなIoT的なシステムが簡単に構築できることが期待できます。 とはいえ、このデバイスでどんなデータを取得したら役に立つのか、というのは意外と難しい話です。昨今、ノーコード/ローコードで、プログラマでなくてもプログラミングができる!ということがよく言われます。しかし、システムを作る上で難しいのは、コードを書くところよりも、何を作るかを決めるところです。これはプログラマやエンジニアでも上手くできる人が少ないですし、ユーザー企業で現場の業務をよく知っている人ならできるというわけでもないです。課題をよく吟味して、業務やビジネスがどう変化すると良いのかを全体最適の視点から捉えないと、間違ったものを作ってしまいます。 本来は、課題があって、それから手段が検討されるわけですが、今回は手段が手元にあって、そこから何ができるか考えています。完全に間違いパターンで