HP(ホームページ)を作りたいときに、どんなサービスを使ったらいいとか、どんな機能を持たせたらいいとか、SEOをどうしたらいいとか、いろいろなアドバイスがあります。でもそのときに、「良いことをやれば間違いない」と、どこかの成功パターンを盲目的に採用していないかな、と思うときがあります。
誰かが検索したときに、自社のサイトが全然出てこないよりも、上位に表示される方が、良い悪いで言えば良いのは間違いないですが、でもそれってどれだけ必要なんでしたっけ?
WordPressを使うとカッコイイページを作れて、ブログも組み込めて、更新しやすくて、いろいろな拡張機能があって、というのは確かなのですが、今その事業を運営するにあたって重要なことはなんでしたっけ?
というような疑問が湧いてきます。余力があれば、やれること全部やっておけば良いのですけれど、何でもやるには資源が足りないからこそ戦略がある、ということにも常に留意したいところです。
ホームページの機能や性質、どんなツールを使って作るかは、「何のためのホームページか」ということから、最低限の落としどころが見えてくると思います。それで、その「何のためのホームページか」をどんな軸で捉えるのが良いのだろう、ということを考えていたのですが、そこで思い立ったのが下図の4象限です。
ここで縦軸の上半分、AとCに該当する場合は、提供したいサービスに特化したツールを使うことを優先的に考えて良いと思います。例えば、ネットで販売したいのであれば、BASEやShopifyのような、ネットショップ向けのツールを選ぶということです。「ホームページ」というものをあえて分離して考えなくても、兼ねてしまえるならば手間も減ります。
次に横軸は、ホームページによって集客をするかどうか。ホームページ=集客ツールと考えていると、AやBのような集客なしなんてあり得ないと思うかもしれませんが、実際には集客なしのホームページにも十分な意味があります。
例えば、検索・予約サイト(旅館ならじゃらん、楽天トラベルなど、美容ならホットペッパービューティーなど、飲食なら食べログなど)やSNS、Google Map(マイビジネス)、リアルでの広告など別の有効な集客手段がある場合には、ホームページはどんな会社/店舗なのか確認してもらうためのもの、もしくは既存客向けという位置づけでも良いでしょう。マタギ猟に例えれば、追い込み役が獲物を目の前に誘い込んだところを、待ち構えて撃つ役がホームページという考え方もあります。
ホームページ自体での集客が不要ならば、事業について知ってもらい、人となりや店の雰囲気を伝えるためのコンテンツ作りができればOKでしょう。ブログを用意するにしても、頻繁に更新することに必死にならなくても良いと思います。
逆に、ホームページでの集客を狙うCとDのケースならば、SEO対策が可能なツールを選んで、ブログなどによる情報発信も頻繁にしていくようになります。ツールが単体で必要な機能をカバーしていなければ、いくつかのツールを連携させることも検討します。
以上のように、「何のためのホームページか」という位置づけを明確にできれば、誰にでも均等にアドバイスされることを聞いて、やったらいいことの全部盛りのようなことにはならないと思います。戦略とは、やった方が良いとされることでも「何をしないか」です。使わなかったリソースは別のところに投入できます。ホームページに限りませんが、戦略的な考え方をしたいですね。